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FM2910

清長風俗東乃錦　大判二枚続のうちの1枚です

壊れた額縁に入っていたので「歌麿/姿見七人化粧」が
入っていた額縁に入れ替えました
フレームは内枠、外枠ともに木製で画材はアクリルです
マットは上品なローズ色で汚れもなく綺麗です

目立ちませんがフレームに小さな傷があります。
サイズ等は画像でご確認ください

以下、解説書に記されている文面です。


清長風俗東之錦
萩の庭
大英博物館

KIYONAGA Füzoku Azuma no nishiki: A Garden of Bush Clover (Hagi no niwa). Oban diptych.
British Museum No. 1924-3-27-8(1~2)

大判二枚続 25.2×38.0, 25.2×38.0cm

落款、清長画　版元印なし

現在も牡丹や紫陽花・楓などの花や銘木の名所で知られる寺社があるが、
境内の萩を賞でて参詣する寺に龍眼寺というのがあった。
東京都江東区亀戸にある。この寺を萩寺と俗称した。
藤に梅にと四季それぞれの風趣は生活の憩いであって、それを描く浮世絵も少なくない。 この萩の庭は萩寺を意味するであろう。
揃い物として売り出した清長の名作 「風俗東之錦」の中でも、二枚続の拡大構図の名作である。世に「清長風」と賞された天明三～五年(1785) 頃の清長藝術の最高峰をなす一連の作で、二十種ほどが検出されている。
着想は、遊里ではなくて、江戸町家や路上の風俗描写にあるが、
八景・十二候などと限定せず、折りにふれての取材らしく、室内所見の女の生態、女の外出、物売り、宮詣で、桜狩りとさまざまな生活相を描いており、桜狩りと萩の庭とは二枚続である。
藝術創造時の長期出版のための変化であろう。だが、優麗佳雅な女性美を
千態万様の仕業やポーズでとらえ、それらをいわば並列的に大柄に描きながら、その場の情景をしのばせる。武家習俗も織り込まれている。
絵のことは素人だと自制の心ばえから、路傍のビーナスと西欧でたたえる日本女性の江戸美をつつましくうたい上げた絶世の画家清長の、美術史的浮世絵様式を代表する図である。
(福崎宗重)